猛毒をもつアリであるヒアリが日本に上陸していると話題になっています。
外来種であるヒアリと在来種である日本アリのどちらが強いのか気になりますよね。
本記事では、以下の内容をお届けいたします。
- 結論:ヒアリと日本アリはどっちが強い?
- ヒアリは猛毒をもつアリで、日本アリは環境への適応力が高いアリ
- 直接対決では、戦闘力の高いヒアリが強い
- 日本での生存競争では、日本アリが勝っている
- 世間の声と勝敗についての考察
- ヒアリと日本アリの天敵は何?
ヒアリと日本アリは同じアリの仲間ですが、ヒアリと日本アリが直接戦ったらどっちに勝敗が分かれるかわかりません!

ヒアリと日本アリはどのような違いがあるのかな?

アリ同士の喧嘩は、何を武器に戦うのだろう?
それでは、本記事をどうぞお楽しみください。
【結論】ヒアリと日本アリ(クロオオアリ)はどっちが強い?

答え:直接対決ではヒアリが強いが、日本での生存競争では日本アリ(クロオオアリ)が優勢
ヒアリと日本アリの勝敗には両極端の意見が存在し、SNSでも「どっちが強い?」と疑問の声が散見されます。

ヒアリと日本アリの違いは何だろう?

ヒアリと日本アリの勝敗については、意見が分かれてしまっている…どうしてだろう?
本サイトでは、どっちが強いのか調査した結果、
- 直接対決ではヒアリが強い
- 生存競争という面では、日本アリが勝利
- ヒアリは強力な毒、日本アリは環境への適応力が強み
- 日本では、日本アリがヒアリの定着を防いでいる
と結論付けられました!

戦闘面ではヒアリ、生き残りの面では日本アリが強い!
それでは、詳しく見ていきましょう!
外来種ヒアリvs在来種クロオオアリ(日本アリ)!勝敗は生態の違いが握る

ヒアリは猛毒と凶暴な性格、日本アリ(クロオオアリ)は環境への適応力とフェロモンが勝敗を決めるカギとなります。

ヒアリの毒はどれくらい危険なのかな?

日本アリの適応力の高さはヒアリとの戦いの勝敗にどのように関わっているのかな?
ヒアリと日本アリの生態について詳しく見ていきましょう。
ヒアリ|猛毒の侵略者

ヒアリは猛毒の針をもったアリで、侵略的外来種として世界中で恐れられています。
ヒアリの基本情報をまとめました。
- 原産地:南米の温暖な地域
- 大きさ:2.5~6 mm
- 色:赤褐色
- 性格:攻撃的。敵に咬みつき、毒針を刺す。
- 毒:アルカロイド(神経毒の一種)を含む強い毒
実際の姿をみると、赤っぽい小型のアリです。

見た目は小さくて無害そうだけど、猛毒をもってるんだね。

日本にはヒアリはどれくらい来ているのかな?
主な発見場所は港付近ですが、最近は内陸部で繁殖している可能性も示唆されています。
- 2017年:神戸港(6月、初確認)、名古屋港、博多港などで発見。
- 2018年~2023年:断続的に湾岸地域(港や海沿いの倉庫)で発見。
- 2024年:神奈川県横浜市で女王アリを含む1000匹以上の群れが発見。
- 2025年:6~7月にかけて神奈川県(横浜港)、東京都(東京港)など15件の確認。
アメリカでは1930年ごろにヒアリの侵入が確認され、近年、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、台湾、中国南部などに急速に分布を拡大している。改正外来生物法で「要緊急対処特定外来生物」に指定された。
引用:国立環境研究所

ヒアリは、私たちの生活圏に忍び寄ってきているんだね。

ヒアリと日本のアリの見分け方はあるのかな?
見分け方には4つのポイントがあります。
- 同じ巣のアリなのに、いろいろな大きさのアリが混ざっている
- 体の色が赤っぽい
- 足が8本
- 胸部と腹部の間に2節のコブがある
ヒアリは攻撃的で危険なので、似ているアリを見つけたら触らずに関係機関に連絡しましょう。

刺されると危険!ヒアリの巣(アリ塚)を見かけても、触らないようにね。
日本アリ|日本の生態系の守護者

日本アリは、寒暖差の大きな日本の気候に順応し、外来種と競合して生態系を守っています。

日本にはアリだけで300種類もいるのか!

日本のアリにはどんな特徴があるのかな?
日本アリのトップ5は、すべて昔から日本に住んでいる在来種のアリです。
引用:自然調べ2018 身近なアリしらべ!
- クロヤマアリ
- トビイロシワアリ
- アミメアリ
- ハリブトシリアゲアリ
- クロオオアリ
今回の対決では、特に大型のアリである「クロオオアリ」を日本アリを代表として、勝敗を考察します。
クロオオアリの基本情報をまとめました。
- 生息地:日本全域。寒冷地にも生息している。
- 大きさ:6~8 mm ※女王アリは20 mm程
- 色:黒褐色から黒色
- 食べ物:アブラムシが出す蜜(甘露)、小さな昆虫
- 攻撃法:大きな顎で咬みつく、ギ酸(酸性の液体)をかける
- 群れでの生活:フェロモンや触覚でコミュニケーションを取り合う
クロオオアリは名前の通りに黒く、大きなアリです。

クロオオアリは、広い温度帯に適応しているんだね。

毒はないけど、ギ酸での攻撃やフェロモンを使った情報伝達が特徴だね!
クロオオアリ同士の喧嘩では、大きな顎で咬みつきあい、おしりからギ酸を出して掛け合う様子が見られます。
クロオオアリは触角でお互いを探索し、同じ巣のアリには融和的な行動を、違うアリには攻撃的な行動を示します。クロオオアリは巣仲間と非巣仲間を識別することによって、高度な社会を形成します。
引用:国立大学法人 神戸大学

触覚で臭いを感じ取ることができるんだね!
アリは30種類以上のフェロモン(臭い物質)を使って、情報伝達をしています。
アリが一列に行列を作る「道しるべフェロモン」が有名ですね。

フェロモンの種類によって、仲間を集めたり、敵を遠ざけたりできるんだよ!
ヒアリと日本アリ(オオクロアリ)の生態についてみてきましたが、実際に戦うと勝敗はどうなるのでしょうか?
強いヒアリが在来種に負ける?国内生存競争は日本アリ(クロオオアリ)が優勢!

直接対決では、攻撃的で強力な毒をもつヒアリが強いです!
一方で、生き残りにおいては、在来種で日本の環境に順応した日本アリ(クロオオアリ)に軍配が上がります。

ヒアリと日本アリは「強さ」の方向性が違うんだね。
それでは、ヒアリと日本アリの勝敗を詳細に見ていきましょう。
直接対決|ヒアリが強い


直接対決においては、攻撃力の高い方が強いといえます。
ヒアリと日本アリ(オオクロアリ)の戦闘力を比較し、強さを見てみましょう。
ヒアリ | オオクロアリ(日本アリ) | |
大きさ | 2.5~6 mm | 6~8 mm |
武器 | 顎、猛毒の毒針 | 顎、ギ酸 |
性格 | 攻撃的 | 無駄な争いは避ける |
群れ | 30~50万匹程度 | 100〜1000匹程度 |

ヒアリは小さいけど、攻撃力が高いんだね!

ヒアリはオオクロアリの500倍以上の匹数!集団で攻撃されたらひとたまりもないね。
ヒアリは攻撃的で、集団で咬みつき攻撃や毒針攻撃をします。

咬みついて、何度も毒針で刺す「殺人アリ」!怖いね…
ヒアリに刺されると、痛みやかゆみ、じんましんが出ることがあります。まれに、「アナフィラキシーショック」といわれる強いアレルギー症状が起きることもあるので注意が必要です。
ヒアリの毒は、命にかかわることは少ないようですが、刺された場合は適切な処置が必要です。
20~30分程度は刺された部位を冷たいタオルや保冷剤などで冷やしながら安静にし、様子をみて下さい。その間、なるべく一人にならないようにしましょう。
引用:環境省

直接対決では、日本アリよりヒアリが強いといえるね。

巣を水で流そうとしても生き残る…どうやったら退治できるんだろう?

ヒアリはこんなに強いのに、日本で大繁殖していないのは不思議だね。
生存競争|日本アリ(オオクロアリ)が強い

ヒアリと日本のアリの生活環境を比較しました。
ヒアリ | 日本アリ(オオクロアリ) | |
原産地 | 南米 | 日本 |
適応する気温 | 10~30℃以上 | 5~30℃ |
現在の生息域 | アメリカ、オーストラリア 台湾、中国南部など | 日本、朝鮮半島、中国 アメリカ、インド |
日本アリは、冬眠をすることで、寒さの厳しい日本でも生き抜くことができます。

ヒアリは日本に来ても、冬を越すことができないんだね。

日本アリの仲間であるオオハリアリは、クロオオアリと同じく高い適応力で世界に進出しています。
「オオハリアリ」日本の在来種で、腹部の先端にある毒針でシロアリばかりを襲って食べる。19世紀ごろ、日本などからの貿易船で貨物に紛れて米国に侵入。すぐに定着して大繁殖した。
引用:産経ニュース
また、日本アリの中には敵を寄せ付けない戦略をもつアリがいます。
日本アリの仲間であるクロオオアリは、ヒアリを遠ざけるフェロモン(臭い)を出しています。
クロオオアリのフェロモンに含まれる「(Z)-9-トリコセン」に、(ヒアリなどの)触覚が触れた瞬間、後ろへ大きく飛び退き、必死に逃げ出すことを発見した。
引用:FNNプライムオンライン
この威嚇フェロモンの発見はXでも話題となり、「日本アリはヒアリより強い」という意見につながったようです。

クロオオアリのフェロモンがヒアリの侵入を防いでいるのか!
しかし、日本アリがヒアリの侵入を防いでいるという直接的な証拠はないため、ヒアリの発見と駆除が重要です。

日本アリは、生存戦略の面でヒアリに勝つ強さをもっているんだね!
世間の声|ヒアリは日本アリに勝てない?勝敗への噂に注目が集まる

世間では「ヒアリは日本アリに勝てない」という噂があり、知恵袋では噂の真相を確かめようとする質問が多くみられました。


危険なヒアリが日本に来ていると知ったら、日本アリが勝てるのか心配になるよね…

世間では、ヒアリと日本アリの勝敗はどのように考えられているのかな?
「日本アリが強い」とする根拠は、在来種の方が数が多く、少数のヒアリには勝てるという考察でした。
引用:知恵袋
- 小さな集団で侵入してきた場合は、 多くの場合は完全に駆除されてしまうそうです。
- サムライアリがいるからです!!
- 多勢に無勢 初期は土着が有利です
- モハメドアリなら勝てます
- ヒアリの範囲を広げるので日本のアリは駆除しないように、 みたいなポスターを見ました。
- それが、勝てちゃうから問題なんですよ。
- 蟻という昆虫は縄張りを持つものなので、 ヒアリを含む異種が入ってきたら総攻撃で退治するそうです。 つまり日本の在来種でもヒアリに勝てるという事になります。
- 定着初期の個体数が少ない時期であれば、在来アリでも定着を抑えられる可能性があります。
一方、ヒアリの戦闘力の強さから、「ヒアリは日本アリに勝てない」という噂を否定する声もあります。
引用:知恵袋
- ヒアリが日本アリに勝てないは、間違った情報だろう
- NHKのニュースで、日本のアリは勝てないと言っていました。
- 日本のアリでは勝ち目がないのでは。
- 同じ数ならヒアリが勝つかもしれません。
- ヒアリと生存競争すると日本原産のアリは絶滅します。

世間の声では、生存競争では日本アリが優勢だね。

個体としての強さと生き残るうえでの強さが混同されて、両極端の噂が広まっているのか…
日本の生態系における、ヒアリと日本アリの勝敗は今後も注視していく必要がありそうです。
また、アリ同士の勝敗の他に、「カブトムシとクワガタはどっちが強い?」という人気の昆虫対決も話題となっています!

ぜひ、この記事と合わせて読んでみてください!
ヒアリと日本アリ(クロオオアリ)の天敵は何?

ヒアリと日本アリの共通の天敵は、鳥やクモ、アリジゴクなどです。また、ノミバエというハエはアリに寄生して体内から食べてしまいます。

スズメやツバメなどの小型の鳥が餌としてアリを食べます。

クモもアリジゴクも身近に見ることができる虫だね!
アオオビハエトリというクモは青い縞模様が特徴で、アリを主食にする珍しいクモです。
アリジゴクはその名の通り、アリをすり鉢状の罠で捕まえて捕食する昆虫として有名ですね。

アリにとって、自然界は危険がいっぱい!

ノミバエという虫は初めて聞くけど、どうやってアリを襲うのかな?
ノミバエは「ゾンビバエ」とも呼ばれ、ヒアリに寄生することで天敵とされています。
ノミバエの仲間は、アリの胸部に産卵管を差し込み、素早く卵を産みつける。成長すると、幼虫は酵素を使って自分が入っているアリの頭部を切り落とす。
引用:東洋経済オンライン
ノミバエは主にアマゾンに生息するため、特にヒアリにとっては恐ろしい敵です。

アメリカはヒアリ対策として、このノミバエを使っているそうだよ!

「ゾンビバエ」も外来種だから、日本での導入は慎重にしたほうがいいね。
ヒアリが日本に来た理由はなぜ?現在の日本国内の分布まとめ

ヒアリは外国からの貨物船などに乗って日本にやってきていると考えられています。
船や飛行機に積まれたコンテナや貨物にまぎれ込んで、1940年代頃からアメリカ合衆国やカリブ諸島に次々と侵入し、日本へも同じような経路で海外からやってきています。
引用:環境省

ヒアリが自分の意志で日本に来たのではなく、たまたま日本に来てしまったといえます。

ヒアリは今日本のどこにいるのかな?
ヒアリが確認されている都道府県は、以下の18都道府県です。
北海道、埼玉県、茨城県、栃木県、東京都、千葉県、神奈川県、静岡県、三重県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、広島県、岡山県、福岡県、大分県、佐賀県
日本地図で見ると以下の通りです。


日本に完全に定着していないなら、とりあえずは安心!

でも、発見例は後を絶たない…沿岸部の公園などでは引き続き注意しよう。
よくある質問
まとめ
本記事では、ヒアリと日本アリはどっちが強い?という疑問に対して、直接対決ではヒアリが強く、生存競争では日本アリが勝つと結論付けました。
ヒアリは強力な毒と攻撃的な性格で、日本アリを圧倒します。
一方で、日本アリは寒暖差の大きい日本の気候に適応したり、ヒアリが嫌うフェロモンを出たりすることで生き残り、日本の生態系を守っています。
世間の声では、「ヒアリは日本アリに勝てないのか?」という噂に対し、日本アリが強いとする意見が優勢です。
ヒアリは危険な毒をもつだけでなく、日本の生態系を脅かす外来種です。
在来種である日本アリを守るためにも、ヒアリを発見した際には適切に対応したいですね!


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